「ほしの王子様」で有名な木で、本の中に挿絵が入っているので、ご存知の方は多いでしょう。根っこが上に向かって伸びているような奇妙な形をし、とても大きいので、一度見たら忘れられない、印象的な木。ザンビアではじめてこの木を目の当たりにした時は「なんじゃこりゃ」でした。
病院内にバオバブの木の実を展示しております。興味のある方はお手にとってごらん下さい。
左の写真は私がザンビアで撮ってきたもので、木の下部が削れているのはゾウが牙を研いだためです。
*ザンビア共和国、サウス・ルワングワ国立公園で撮影。乾季のため緑が少ないが、動物を観察するためにはちょうどよい季節。雨季には草が生え緑多く、道はドロドロになり、野生動物をみるにはかなり困難がともなう。
昔々、ザンビアの大地で暮らす動物たちが集まり、その会議で、皆でそれぞれいろんな種類の木の苗を持ち寄り、植え、緑を増やそうという事になりました。みんな、それぞれの苗を持ち寄り、ライオンは休むための木陰ができる木を、キリンは食べるためのアカシアの木を植えていきました。
ほとんどの動物が苗を植え終わった頃、遅刻してきたハイエナがバオバブの木の苗を持ってやってきました。
「ごめんごめん、遅れちゃったよ〜。」
皆が見守る中、遅れを取り戻そうと、大急ぎで穴を掘って、苗をポンと入れ、せっせと土をかぶせ、
「ふう、慌てちゃったけど、なんとか無事に終わったよ。ああ、よかった。ん?あれ?なんかへんだぞ?」
そうです。
慌てもののハイエナはバオバブの木を上下さかさまに植えてしまったのです。
「あ〜。またやっちゃった〜!」
もう手遅れです。
逆さまに植えられたバオバブの木は、そのままぐんぐん成長していき、空に向かって根っこがぐんぐん伸びていきました。それ以来、バオバブはずっとさかさまになったままです。
あわてもののハイエナくんはバオバブにいつ怒られるかとびくびくしていて、決してバオバブに近づくことはないそうです。
《注:この民話は現地で聞いたものではなく、以前ネットで覚えたものです。》