先ずは動物の四肢に留置針(柔軟性のある針で、血管を傷つけることなく点滴を持続的に行うことができます。)を留置します。ここから、注射により導入麻酔を施し、気管チューブを挿管、イソフルレンによるガス麻酔で術中維持します。
手術部位を毛刈りし消毒します。毛の生えにくいポメラニアンなどでは、発毛まで時間がかかるのでご注意を。この写真は陰睾(先天的に腹腔内に睾丸がある状態)の手術のために準備しております。矢印の部分に本来あるべき睾丸がありません。
手術が無事終了いたしました。麻酔から目がさめるときに頭をぶつけないよう看護婦さんが抱っこしています。動物が術部をなめないようにエリザベスカラーをつけ完了です。
全身麻酔は生体機能を一時的にストップさせるため、最も神経を使います。特に衰弱した動物に2時間以上の大手術を行った場合、覚醒し、立ち上がってくれたときに、正直ホッとしている獣医さんは私だけではないでしょう。