目の病気

目の病気のほとんどは、目を気にする、目がしょぼしょぼすることからはじまります。




角膜潰瘍

『目を気にする』などの初期の症状を見逃さずご来院下さい。

軽度の角膜潰瘍です。飼主様は目のしょぼつき、なみだ目で来院しました。フルオル試験(角膜潰瘍の部位だけ染色される試験)で、潰瘍がわかります。この程度なら点眼液のみで治癒します。

中等度の角膜潰瘍です。目を開くことができないほどの痛みが伴います。動物は掻くことで、重症にしてしまいます。初期の症状を見逃さずご来院下さい。この症例では手術が必要でした。

重度の角膜潰瘍が悪化し、角膜穿孔した症例です。手術しなければなおりません。この症例のワンちゃんは全身疾患を併発し、眼球摘出を行いました。一般的には手術により眼球を温存し治癒します。

フルオル試験です。
この試験によって角膜表面の傷の程度がわかります。


角膜潰瘍の手術

角膜潰瘍の治療に手術が必要な場合があります

重度の角膜潰瘍で角膜穿孔した症例です。瞬膜フラップでは治癒しなかったため、有茎結膜皮弁法で治療しました。

術後4〜8週で眼球結膜からつながっている部分を切除します。角膜表面に残った結膜組織は徐々に退縮し、白く濁った様相を呈します。


乾燥性角結膜炎

『ドライアイ』と呼ばれる状態になります。

シーズー・バグなどおめめの大きな、かわいいワンちゃんで多い病気です。涙が少ないため角膜炎・結膜炎がおこります。角膜は黒く色素沈着し、膿のような目ヤニがいつも出ているため、目がふさがってしまいます。

シルマーティアテストにより流涙量を計測することで診断します。原因はさまざまですが、免疫が関与し涙腺が萎縮しているものが多いようです。そのため50%ほどの症例で免疫抑制剤の点眼が効果があります。

シルマーティアテストです。
このテストによって流涙量を測ります。


瞬膜の異常

瞬膜とは、内側から出てくる第3番目のまぶたです。

ホーナーシンドロームという瞬膜が出てしまう病気です。原因は感染、損傷、腫瘍、中耳炎など様々ありますが、50%の症例が特発性(原因不明)です。この症例は原因不明で、3ヶ月で自然治癒しました。

チェリーアイと呼ばれる、瞬膜腺が飛び出してしまう病気です。ビーグル、ブルドッグ、コッカー、ペキニーズなどによく見られます。手術しなければなおりません。

左の症例の手術後の写真です。
再発する場合があり、この症例は再発したため(腕の問題もあります)再手術を行いました。現在は良好です。


眼瞼の病気

眼瞼とは目のふちのことです。

この症例は、目のふちにマイボーム腺腫とよばれる良性のイボができたものです。(もちろん悪性のできものの場合もあるので注意が必要です。)
徐々に大きくなるため、小さいうちに手術することをおすすめします。手術法として、切除するか、レーザーで焼き切る方法があります。(当院はレーザーがないので、手術による切除をしております。)

この症例は、涙が目の内側からあふれ出てしまい、いつも涙を流している状態です。原因は、眼瞼内反、涙湖と呼ばれる目のふちの涙をためる場所の形成不良で目のふちにある毛から毛細管現象で涙がこぼれ出たり、鼻涙管(涙を鼻に排泄する管)の閉塞などがあります。最近は目の内側を手術することによって、良い結果がでているようです。この手術は当院ではできないので、できる病院(裾野市のパル動物病院)をご紹介いたします。


パル動物病院

目の先生がいる病院です。裾野市にあります。

パル動物病院で、流涙症の手術をしていただきました。
手術前の写真です。涙によって目の内側の毛が茶色に変色しています。

パル動物病院の手術前の様子です。目の手術にはこのような顕微鏡を使いながら、涙管を傷つけないように行います。

手術後の写真です。手術によって、まったく涙が出なくなるわけではありません。しかし手術前の状態よりは良くなるようです。


緑内障

視力を失うこともある緊急疾患です

緑内障は徐々に目が大きくなり、視力を失います。初期の症状は、目を気にし、目がしょぼしょぼし、元気食欲がなくなります。初期ならば手術で視力を維持できますが、一般的には予後は厳しい病気です。

視力を失い、牛の目のように大きくなった目は牛眼と呼ばれます。義眼や眼球摘出、眼球を萎縮させる薬を注入するしかありません。視力を維持するためには、手術のできる病院をご紹介します。

このワンちゃんは、すでに視力を失っていたため、注射による眼球の萎縮術を行いました。施術後2ヶ月経過した様子です。正常眼より小さくなりました。