6才のM.ダックスが、3ヶ月前からの鼻血が主訴で来院しました。レントゲンでは鼻血が出ている鼻腔が白く濁っています。まだ骨が溶けた様子はありませんが、腫瘍ならば骨を溶かしていきます。組織病理検査では、軟骨肉腫の疑いという検査結果です。
鼻の中の腫瘍は悪性のものが多く、放射線治療が唯一の治療法です。当院での治療は不可能なので、大学病院をご紹介しましたが、飼主様のご希望で緩和治療のみ当院で行うことになりました。
腫瘍は徐々に増大し顔が変形しましたが、4ヵ月後に亡くなるまで、自宅で家族の皆様と暮らすことができました。
ヒトの時間に換算すれば1年半がんばったことになります。
11才のラブが、目の上がはれているという主訴で来院しました。レントゲンを撮ると、明らかに、前頭洞内が白濁し骨膜反応・骨造成・融解が始まっています。悪性腫瘍を疑い組織病理検査をお勧めしましたが、飼主様は緩和療法のみを選択いたしました。
鼻出血は多少コントロールができましたが、顔は変形し目を開けることもできず、元気や食欲も失われ、3ヵ月後に飼主様のご希望で安楽死致しました。顔面にできる腫瘍は顔を変形させ、見るもかわいそうな姿になります。早期発見・早期治療が望まれます。
雑種のネコちゃんが、鼻梁部が腫れています。細胞診で膿が採取されました。毛を刈ると外傷部が観察できました。外に出るネコちゃんなので、ケンカ傷が原因の膿瘍だと考えられます。
切開・拝膿・洗浄・抗生剤の投薬で治癒しました。
レントゲン上では前頭洞に上記のような白い部分が観察できます。レントゲンだけでは腫瘍との区別がつかないため、細胞診が必要な症例です。鼻の上の傷が骨を溶かし鼻骨に孔を開け、前頭洞に達する大きな膿瘍を形成していました。