横から撮ったレントゲンです。レントゲンは、固い物質ほど白く写るため、骨・血管・臓器などは白く写ります。空気や水は黒く写ります。肺は空気を多く含む臓器のため、黒く抜けたようになりますが、そこに腫瘍などの塊があれば、当然白くなることで、肺の腫瘍が確認できるのです。
しかし、レントゲンは3mm以下の小さい塊は透過します。そのため、細胞レベルや腫瘍が小さいものでは発見できません。早期発見といえど、レントゲンで転移が確認できた時点で、予後は厳しいものといえるでしょう。
6歳のシェルティーが数週間前から、元気・食欲不振、呼吸が荒い主訴で来院しました。
レントゲンで肺が粟粒状に濁っています。身体検査で、これ以外の異常や腫瘍が確認できません。レントゲンから肺原発腫瘍または腫瘍の転移であると仮診断しました。確定するためには原発巣を探し出すか、病理学的検査しかありません。
9歳のG.レトリバーが4日前から元気・食欲不振、歩行できない状態で来院しました。身体一般検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査の結果、肺に砲弾状の病変が散在しています。それ以外に腫瘍病変はありません。肺原発もしくは発見できていない腫瘍の転移です。重度の貧血、血小板減少、低蛋白血漿を呈していました。
交通事故で顎骨・脊椎骨折をした、保護ネコちゃんです。顎骨・脊椎の手術をし、入院2ヶ月が経過、元気や食欲が回復した矢先、急に元気・食欲が低下しました。呼吸の異常も診られたため、レントゲン検査、血液検査をしました。胸水貯留、前胸部のマス病変、貧血があります。超音波ガイドによる細胞診の結果、リンパ腫が疑われました。